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宣伝会議『ブレーン』が主催するオンライン動画コンテスト「第7回 Brain Online Video Award」(BOVA)の受賞者が、制作の舞台裏を語るシリーズ企画。第2回は、不二家の課題で審査員特別賞&協賛企業賞をダブル受賞した田中翔太です。

田中翔太(たなか・しょうた)|ディレクター

田中翔太(たなか・しょうた)|ディレクター

2014年、プロダクションマネージャーとして新卒入社。2018年にディレクターへ転向。

―― BOVA審査員特別賞の受賞おめでとうございます! まずは、受賞の感想をお聞かせください。

田中:ありがとうございます! 受賞という結果を残すことができて、素直に嬉しいです。制作部チームをはじめ、スタッフの皆さんに感謝ですし、楽しく作ることができ、不二家さん、出演者さんにも喜んでもらえたことが何より良かったです。

個人的な話になるんですが、とあるイベントで登壇した時にプロフィールを読んでもらう機会があって。ディレクター3人のうち、僕だけ賞歴がなくて「こういうのが好きで、こういったことが得意で…」という不思議な紹介になったんです(笑)。

今回、受賞できたことで「こういう賞を獲った人」と、わかりやすく自己紹介ができるようになったので、そういう意味でも良かったです。

―― 「PEKO 2020」は、BOVAの公式YouTubeチャンネルで再生回数が一番多いですね。

田中:プランナーの飛田さんとも再生回数が多い理由について話したんですけど「内容がよく分からなくて、気楽に何度も見られるから」という結論に至りました(笑)。

―― 課題テーマや企画は、どのように決めていきましたか。

田中:課題テーマを決めず、いろいろと企画を出して、面白い企画が出たもので進めようとスタートしました。飛田さんが「ペコちゃんが実は69歳(※2019年当時)」という衝撃の事実を発見したので、早い段階で企画の軸は決まりました。

ただ「ペコちゃんが実は69歳」という事実を、どうやって動画でキャッチーに魅せるか、少ない予算でキャラクターの実写化が上手くいくのかという懸念がありました。有名な実写化CMは、出演者のタレント性やキャラクターの再現率で勝負している作品が多いので、ハードルが高い企画だなと思っていましたが、おばあちゃんダンサーToriさんが見つかったことで解消できそうだったので、実写化企画で進めることに決まりました。

―― 演出上の工夫や、特に力を入れたポイントを教えください。

田中:企画段階では、ペコさんが高校生に「縛られるんじゃない」と諭すような内容で、テクノやダンスっぽいポップな曲調を想定していたんですが、演出段階で「ペコさんに喋らせず、ラップにする」「反抗的なキャラクターが分かりやすいようにミクスチャーロック風な曲調」にしたところが一番のターニングポイントでした。

あとは、一人が悩んでいるより、たくさんの人が悩みを抱えているように見せるために、舞台を女子高にしました。ペコさんが主役ではあるんですけど、映像の見え方として、女子高生を多めに登場させて、そこにペコさんが現れるというふうに比重を変えました。

それと音楽では、ペコちゃんが踊るシーンもあるので「ミルキーはママの味~♪」のメロディーをアレンジして使っています。映像のあちこちで使っているので、ぜひ聞いてみてください。

―― 女子高生のダンスの振り付けはどうされたんですか。

田中:もともと、演技経験の無いダンス部の女子高生にお願いしようと思っていて、彼女たちと初めて顔を合わせたのは、撮影3日前でした。全国大会に出場するほどのレベルで、過去のダンス映像を見るとメッセージを伝えるような作品が多かったので、企画のコンセプトと音楽を伝えて、振付けを考えてもらいました。短い期間だったんですが、振付けを一生懸命考えて、撮影当日までに仕上げてきてくれました。

2019年12月下旬に撮影

―― 印象に残っている、制作中のエピソードがあれば教えてください。

田中:DJ役のポコさんがポーズを取るシーンは、30回近くは撮り直しました(笑)。良い表情やタイミングが欲しくて、気づいたら30回近くになっていましたね。

それと、女子高生がダンスしている後ろに貼ってある習字。僕が女子高生が縛られていそうな言葉やモノを考えて、80個くらい直筆で書きました。撮影前日に、PMさんにデータを送ったんですが、データの容量が重くて「全然印刷が進まない!」と怒られました(笑)。

2019年12月下旬に撮影

―― インスピレーションの源は何でしょうか。

田中:マンガや映画を見て、気になるシーンがあれば、どうして自分が好きなのか理由を考えて一言でもメモするようにしています。プロダクションマネージャーから転向したので、技術的な部分はどうしても足りないところはあって。最初はとにかく、たくさん仕事をしましたし、プロダクションマネージャー時代にいろいろなディレクターの現場を見ているので、その時の経験も参考になっています。

―― 最後に、ディレクターとして心がけていることを教えてください。

田中:僕に発注してもらえた理由と、自分らしさとは何かを考えるようにしています。良くも悪くも、他のディレクターと比べられる仕事で、転向試験の時には「他人と比べられる覚悟はある?」と聞かれました。ディレクターになって「田中の色はなんだ?」と聞かれることも多いです。好きなものや得意なジャンルは自分なりにあるんですけど、それが「色」と言われると正直分かりません。自分らしい色が出てくるまで、どれくらいの時間がかかるか分からないですけど、今は自分がやりたいことを少しずつ実現していくことが大切かなと思っています。

―― ありがとうございました!

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