what's X

電通クリエーティブXの「リアル」を届ける

CATEGORY

クロスでは毎年、宣伝会議の月刊『ブレーン』が主催するオンライン動画コンテスト「Brain Online Video Award」(BOVA)に応募しています。第7回を迎えた今回、一般公募部門で佐藤恵美が準グランプリを、田中翔太が審査員特別賞&協賛企業賞を、村田まいが協賛企業賞を受賞しました。そこで今回、受賞ディレクター3名にオンラインインタビューを実施し、制作の舞台裏を語ってもらいました。シリーズ第1回は、エポック社の課題で準グランプリを受賞した佐藤恵美です。

佐藤恵美 (さとう・めぐみ)|ディレクター

佐藤恵美 (さとう・めぐみ)|ディレクター

2015年、電通クリエーティブX新卒入社。

―― BOVA準グランプリの受賞おめでとうございます! まずは、受賞の感想をお聞かせください。

佐藤:アワードで賞をもらったのは初めてなので嬉しいです。撮影が大変だったので、結果を残すことができて、ひと安心でした。プロデューサーがいろいろな人に企画案の反応を聞いて回ってくれて、実際にできた映像を見てもらった時も、理解してもらえるか心配だったんですけど、狙いが9割くらい伝わっていたので安心しました。SNSでも反応が良くて、たくさんリツイートしてもらえて、オンライン動画ならではだなと感じました。

―― 課題テーマや企画は、どのように決めていきましたか。

佐藤:まず、プランナーの真子さんと“企業名から商品が想起されやすい課題”を選んで、その中からそれぞれ自由に企画を出していきました。小ネタも含めると100案くらいは考えたと思います。最終的には、二人ともシルバニアファミリーの課題をやりたくて企画案を出していましたし、オンライン動画アワードという点も考えて課題テーマを決めました。ちなみに、真子さんがシルバニアファミリーのファンクラブに入っているくらい大好きで、それが強みになると思ったのも、選んだ理由のひとつです。

課題オリエンテーションに書かれていたターゲット層は“3歳~8歳の子どもを持つ親御さんや、今後親となっていく世代”だったので、かわいくてハッピーな映像は違うのかなと思って。真子さんがエポック社の企業理念などを見て“シルバニアは想像力を育む”というコピーを考えてくれたので「男の子、女の子におもちゃの境界線はない」という方向で詰めていくことになりました。

ここで課題になったのは、子どものジェンダー表現でした。小学校くらいの年頃の、ジェンダーに違和感を持つ子の意識について調べた時に、本人はその言葉で理解しているのではなくて、なんとなくサッカーよりはかわいい洋服に興味がある、なんとなく強いヒーローよりは可愛いヒロインが好きという印象でした。地味なウサギちゃんの成長物語と見せかけた歌詞に、ジェンダーに悩む心の内を忍ばせて展開していこうと内容を決めていきました。

―― 力を入れたポイントを教えください。

佐藤:前回までの審査員はCMディレクター中心だったんですけど、今回からプランナーの方が増えていたので、BOVAの審査基準である「拡散される動画か」「新しさがあるか」「課題解決になっているか」の3つを特に意識しました。

昨年のグランプリ作品がジェンダーをテーマにしたものだったので、テーマが同じになってしまうことに私としては少し不安だったんですけど、真子さんから「オンライン動画に必要な拡散力は、クラフトを追い込むことでクリアできる。シルバニアでミュージックビデオを撮るというのは新しい。好きなことを好きって言おう、というメッセージは課題解決になっているから大丈夫!」と背中を押してもらって。

BOVA(オンライン動画)は、CMの仕事ではできないことができる、いろいろな表現がしやすい場所。ミュージックビデオが好きなので、自分の好みや強みを取り入れて作ることができたので、楽しく、自信を持って進めることができました。

2019年12月打合せ

―― 演出で工夫したポイントを教えください。

佐藤:あえて、シルバニアで遊ぶ手を入れたことです。撮影方法を考えていた時期に、シルバニアの公式YouTubeを見ていてコマ撮りの動画が多いことに気づいて、これを真似しても意味ないし、クオリティの高いコマ撮りにしたとしても企画意図から外れていると思ったんです。

自分がシルバニアで遊んでいるうちに気づいたのが、人形を動かして遊ぶときは人の手が必要ということ。私たちがやりたい企画の本当の主人公は、シルバニアではなく“遊んでいる男の子”だから、手が入っているシーンがとても重要なんじゃないかと思い始めたんです。実際の撮影では、カメラ前に手が入ってしまう時や、見た人に感情移入して欲しいカットは、ミニチュアを動かす操演さんにお願いをして、映像のバランスを取っていました。

2019年12月撮影風景①

―― シルバニアファミリーのアイテムを使ったミニチュア撮影、とても大変だったとと思います。

佐藤:そうですね。とても小さな現場だったので、カメラが入り込めないところは、美術セットを一度バラして、その間に美術さんが服を着せ替えて。撮影は2日間だったので、私以上にスタッフさんが大忙しでした。

2019年12月撮影風景②

―― 今後のビジョンを教えてください。

佐藤:もともと映像、なかでもドキュメンタリー映像が好きなので、最近はデザイン分野のアーティストを紹介する「アート・オブ・デザイン」という番組にハマっています。どういう人生を歩んできたのか、人の内面や本質、現実的なストーリーが好きです。ドキュメンタリー映像やインタビュー映像は、何もやらなければつまらなくなるけど、演出・編集次第ですごく面白くなるので。機会があれば、チャレンジしたいです。

―― 最後に、ディレクターとして心がけていることを教えてください。

佐藤:ありきたりかもしれないですけど「丁寧に取り組む」ことを心がけています。これまで、いろいろな監督に付いてきましたが、みなさん演出方法は違えど、共通して丁寧でした。私自身、こういった賞と縁がなかったんですけど「丁寧に取り組んだら、自分に返ってくる」と実感することができました。これからも、一つひとつの仕事や作業を丁寧に取り組んでいきたいと思います。

―― ありがとうございました!

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

採用情報はこちら
前の記事 TOPページ 次の記事