クロスは、社員一人ひとりが安心して働き続けられる環境づくりに取組み、女性ならではのライフイベントに左右されないキャリア形成を応援しています。
今回、2019年5月に出産、育休から復帰した市橋弘子をご紹介します。業界全体を見渡してもママプロデューサーは多くない中、産前と変わらず、プロデューサーとして現場復帰した市橋弘子に、働き方の変化についてインタビューしました。
1歳5ヵ月の男の子を育てるママプロデューサー。テレビ番組制作会社のアシスタントディレクターを経て、2008年 電通テック(現・クロス)に中途入社。
―― クロスに入社するまでのキャリアを教えてください。
市橋:小さい頃から習っていたダンスを大学でも続けていて、当時コンテンポラリーダンスという映像とダンスを融合したパフォーマンスが流行ったんです。「こういう映像って、どうやってつくっているんだろう」と思ったことがきっかけで、テレビ番組の制作会社に入りました。
情報バラエティ番組のADを3年間担当する中で、ドキュメンタリーよりも「イチから世界観をつくる、イチからセットをつくる映像の仕事がしたい」と思って、クロスに転職しました。
―― CMとテレビ番組、ギャップはありましたか。
市橋:制作工程は割と近いんですけど、まったく勝手が違いました。テレビ番組と違って、案件ごとに制作スタッフが変わることは新鮮でしたし、「香盤表って何?」「照明のセッティングに1時間?」と、最初は知らないことや驚くことばかりで、一つひとつの作業が勉強でした。知識や経験が豊富な制作スタッフと同じレベルで会話できるようになりたくて、すべてのパワーを仕事に注いで、20代はがむしゃらに働いていましたね。
―― 産休に入るにあたって、葛藤はありましたか。
市橋:ありました。待望の妊娠だったので嬉しかった一方、プロデューサーとしての経験も積んで、仕事を動かすことが楽しくて、とても充実していました。CM制作の右も左も分からないところからプロデューサーにまで育ててもらって「これからっていう時なのに」という思いもあって、モヤモヤしていました。
―― 不安はなかったですか。
市橋:上司に妊娠を報告した時はとても喜んでもらえましたし、産休に入る前日に壮行会を開いてもらって、応援ムービーまでつくってもらいました。社内には、ママディレクターやママコピーライターが第一線で活躍していますし、他社のママプロデューサーからは復帰のアドバイスや苦労話を聞いていたので、心の準備ができていたからか、不安はなかったです。
―― 5月から復帰されていかがですか。
市橋:上司や周りの仲間のサポートのおかげで、何とか。私の場合はロールモデルがいないので、その時々で上司と相談しながらベターな働き方を模索しています。出張が発生しそうな案件は避けてもらったり、アシスタントプロデューサーを付けてもらったり、周りの仲間の力も借りながら、無理することなく働けています。
―― 出産される前と後で、働き方に変化はありましたか。
市橋:時間の使い方が変わりました。もともと、仕事にフルスイングで、時間いっぱいギリギリまで頑張るタイプだったんですけど、今は時間が限られているので、何を優先してすべきかを常に考えて、効率良く進めることを意識するようになりました。打合せは予定時間内で終わらせるようにして、子どもに何かあれば早退する可能性もあるので、仕事はできるだけ午前中に固めるようにしています。
それと、復帰して気づいたんですけど、子育てってコアタイムがあるんです。お迎えから寝かしつけるまでの3~4時間くらいは、子どもに集中して使おうって決めています。寝かしつけが終われば自由時間なので、メールのチェックをして、のんびりするようにしています。
―― 仕事と育児を両立するためのコツがあれば教えてください。
市橋:「サボれるところはサボる」ことですかね(笑)。とりあえず、家事は全自動にしています。洗濯物は自動乾燥機で乾かして、食器は食洗器で洗って、掃除はルンバに頑張ってもらっています。
あとは、決まっているスケジュールをなるべく動かさないように努めています。子どもの体調が悪い時は病児保育を活用したり、延長保育の時間に間に合わない時は自治体が運営するファミリーサポートの力を借りたりしています。
子育てをしてみて、世の中には子育てを支援するサポート機能がたくさんあることに気づきました。
―― 最後に、これからの目標を教えてください。
市橋:出産を経て復帰するプロデューサーやプロダクションマネージャーが増えてほしいですね。後に続く人たちのためにも「ママになっても変わらず仕事ができる」という前例をつくっていきたいです。
それと、クロスには「新しい働き方PROJECT」というプロジェクトチームがあって、私も参加させてもらっています。パパママや職種を問わず、社員一人ひとりが働きやすくなるような制度の改善や提案を議論しているので、もっと働きやすい環境にしていきたいと思っています。
―― ありがとうございました!